普通に購入した古民家であったが、その
田舎暮らしのために購入した古民家の敷地が
格安物件だった。
これだけでは何のことやら分からないと思うが、家庭菜園でもやりながら田舎暮らしをしたいと思い、退職金を叩いて購入した古民家の敷地が、思いの他、作物に恵まれる良く肥えた土地だったので、高額な買物をしてしまったと悔やんでいた思いが、いつの間にか安い格安の買い物をしたと喜べる様になった。ようするに
田舎暮らし格安物件だったのだ。
去年の春からこの古民家で田舎暮らしを始めたが、去年は家庭菜園は初めての挑戦にも拘らず、ナスやキュウリやマクワウリなどがいっぱい収穫出来た。
これだけでは、まだ格安物件とは気付かなかったと思うが、なんといっても、スイカの大玉が10個も採れた事は、言葉には言い尽くせない喜びであった。
古民家の敷地は200坪ほど有り、家庭菜園だけであれば耕しきれないほどあることも格安物件と言える。
しかし、去年から今年にかけて、百目柿やらいちじくやら梅やらブルーベリーやらで、敷地がほとんど埋め尽くされ、今年の家庭菜園は去年よりずっと狭くなった。
有機農法に拘っての野菜作りなので、土壌改良剤などは一切使用せず、今年は連作を超嫌うスイカは諦めたのだが、去年の豊作が忘れきれず、ダメ元で少し場所を変えて作付けしてみた。
ところが驚いた事に、今年もまた大玉が10個も採れたのだから、正しく格安物件だ。
この古民家の敷地は、前住人がやはり有機農法に拘り、裏山からかき集めてきた落葉で腐葉土を作ったり、放し飼いの烏骨鶏の糞も利用して堆肥を作っていたそうだ。
そういう過去の経歴のある土地なので、かなり地力の付いた良く肥えた土地になったと想像される。
この古民家物件は、田舎暮らしの趣味の家庭菜園を十二分に満足させてくれる田舎暮らし格安物件であった。